VWのミッションは非常に頑丈に作られておりますが、生産されてから30年以上も経過してくると、さすがにオーバーホールの必要になってくるものもあります。ギアが入りにくい、ギアが抜けるといった症状が出てきた場合は、一度ご相談ください。

またBugSpotではギア比の変更も可能です。お客様の使用状況に合ったピッタリのミッション製作も可能です。ギアの組み合わせ次第では、まったく違う走りになりますよ。ギアの組み合わせはいく通りもありますので、詳しくはお問い合わせください。

ここでは、ストレートアクスルのT-2ミッションのO/Hをご紹介いたします。

トランスミッションサービス
ボディーから降ろしたミッションからブレーキ、アクスルなどを外していきます。
ミッションケースから取り外したギアキャリアAssyです。今回のO/Hの主目的は、クラッチを踏んだ時にミッションから音がするのを直す事だったのですが・・・・。
すべてのパーツを分解してから、洗浄していきます。これ整備をはじめる前の基本ですよね!
一つ一つの部品をチェックして発見したメチャクチャに溶接されたギアです(写真右)。写真左のギアが、正常な状態です。ウェルドハブはいいんですが、何でこんな溶接するかな〜? 当然交換ですね!
分解して分かったのですが、このミッションのファイナルは4.375でした。せっかくのストレートアクスルにチューニングエンジンを載せたBUSです、本来はもっと違ったギア比が良いはずだと、3.875R&Pに変更が決まりました。
3.875R&P用にデフキャリアも8ボルトに交換です。
リング&ピニオンの交換の場合、ピニオンの突き出し量を決定する為に、この特殊TOOLを使います。マンドレルと言うのですが、これが無いとファイナルの変更は出来ないと言っても過言ではないでしょう!
デフ廻りの作業は、ミッションO/Hの中で一番気を使う所で、私は最初にこの部分からはじめます。ケース内に見えるのはギア等をまったく組みつけていないピニオンシャフトです。
そしてデフのバックラッシュ調整と、デフのサイドシムの調整を一緒に行います。赤っぽく見えるのは、光明丹を塗ってギアの歯当たりを見ているためです。錆じゃないですよ!
そしていよいよピニオン、メインシャフトに各ギアを組みつけていきます。この時にスライダー、シフトフォーク、シンクロリング等に異状があれば交換していくのです。

ギアキャリアに組み付ける前の状態で、このように各ギアは常時このように噛み合っているんですよ。真ん中のテープは各シャフトが離れないように、一時的に巻いたものでキャリアにセットしたらすぐに剥がすんですよ。

ミッションジグをセットした状態です。これはケースに入っているのと同じ状態にしてシフトフォークの調整をしたり、各ギアの噛み合い、スライダーのチェックを行います。

ミッションを組むのに必要不可欠な、シム類などの細かいパーツは独自に輸入し在庫しております。
デフキャリアもコンプリートになり、組付けを待ちます。

ミッション本体のコンプリート作業が終わりました。
いよいよ搭載するための準備で、アクスルシャフトの組み付けです。
アクスルチューブ、ベアリング等を確認後組み付けて行きます。
アクスル回りがすべて組みつけられたこの状態で、ボディーに搭載していきます。
ミッション搭載完了!後はエンジンを載せてすべての作業が終わります。
試運転をして問題が無い事を確認後、お客様へ納車となります。
  今回のBUSミッションの詳細です。
R&P 3.875
1st 3.78
2nd 2.06
3rd 1.26
4th 0.89

納車後のお客様の声です。
「以前よりローギアの伸びがあり、出だしも楽になったし、高速も楽に走れるようになりました!」と、今まで長く乗っていたBUSだからこそ、その違いが良く分かったわけですね。