BugSpotとのお付き合いは15年以上になると思います。学生の頃から空冷VWに乗り続けている、筋金入りのVW乗りのお客様が今回選んだのはLATE BUSでした。バナゴンと’61T−1を所有していたガチャピンさん(HNです)ですが、お子さんも増えて維持が大変と、乗換えをお考えになられたようです。趣味と実用を兼ね備えているのがLATE BUSと言う事だったのですね!
空冷VWを知り尽くしているガチャピンさんだからこそのプロジェクトには、我々もビックリさせられました。
さぁ〜そのプロジェクトとはどのようなものだったのか、ゆっくりご覧下さい!

Matsumoto's 1971 Baywindow DX BUS
最近オリジナルペイントのベース車輌が少なくなってきました。
そんな中でも、飛び切りコンディションの良いベースが見つかったのです!
オリジナルのナンバーが付いた純粋なカリフォルニアカーの’71DX BUSです!
バグスポに到着したばかりのショットです。

どんなメニューで仕上がっていくのでしょう!?

いよいよ作業開始です! 先ずは外装の部品を外します。
フロントのフロアーもご覧のとおり、サーフェースラストのみ! 腐食は皆無です!!
外すのは簡単でも、組み付けは何倍も時間が掛かります。

ウィンドラバーはもちろん交換しますので、すべてバラバラにします。

先ずルーフ廻りの剥離から始めます。
ウィンドウのチャンネル部分もしっかり剥離します。
サフェーサーが入ったルーフです。 大きな凹みもなく、いたって順調な滑り出しでした!
そしてフロントウィンド廻りへと移動!
右リアパネルの剥離です。大まかなブロックごとに剥離を繰り返して板金します。
右フロントのドックレッグです。 ここも錆はありません!
そしてお馴染み“すっぴん”のお顔! 非常にコンディションがよいですね!!

右リアコーナーからバックパネルまでいっきに剥離しました。

 
季節がいいので(湿気がない)左サイドパネルもいっきに剥離しました!

右リアコーナーを残した理由とは・・・

 
そうです! バッテリーフロアーに腐食を発見したからです。
コーナーパネルにも腐食が進み、向こう側が見えています・・・。
新しいバッテリーフロアーパネルです。
バッテリーフロアー&コーナーパネルを張り替えて、外側の面を修正します。

左側も板金作業を同時進行!

 
右サイドのスライドドアの剥離です。

ここも非常にコンディションが良く、いきなりポリパテだけで板金終了!

 

サフェーサーが入ったスライドドアです。

 
リアエプロン、エンジンリッドと剥離を進めます。
細かい他の部品と共にサフェーサーを入れます。
左ドアの剥離!
右ドアの剥離と、いっきに進行中!!
ファンデーション?を塗っているところ!

どうです? 美人になりそうな感じがしませんか??

左右のドアもほとんど板金らしい板金は無く、サフェーサーが入りました。
右スライドドアのカバー裏もご覧のようにしっかりと下処理します。
ここを手抜きしてるLATEが多いですよ・・・。
左サイドもサフェーサーが入りました。これで大まかなボディーのサフェ入れが終了です。
フロントバンパーはブレードが3ピースですから、すべてバラバラにします。

そしてすべてを剥離!

バンパーステー&リアスプラッシュパンも剥離しました。

 
バンパー廻りの部品もすげてサフェーサーが入りました。
いきなりですが、塗装が仕上がってきました! この間の写真を撮り忘れてました・・・。
ヘッドライナーの張替えに、内装屋さんに入庫です。
どうですこの仕上がり具合! ベテランの職人さんの仕事は本当にキレイです!!
さぁ〜細かい部品の取り付けです。一つ一つ磨きながらの組み付けは、思ったより時間が掛かります。
ベッピンさんになったでしょ!? この仕上がりがあるから下処理にも力が入るんですよ!
セクシーなヒップラインです!
ボディーに入っている光物のモール類も、すべてハンドポリッシュします。
ワコーズのポリッシュ剤がなかなか良いです!
フロントグリルの内側にある部品も塗装してから組み付けます。
ウィンドラバーを交換しながら、窓廻りの組み付けを進めます。
いよいよインテリアの張替えです。
シートフレーム廻りのラバーマットも交換します。このような部品も手に入るのですからVWって本当にスゴイと思います。
サイドパネルの交換ですが、ここで一手間掛けます。ヘリの糊付けをやり直します。日本の湿気で剥がれないようにするためです。
Fシート裏のビハインドパネルも交換します。
空冷VW屋さんは内装屋さんにもなります!(笑)

ビハインドパネルも組み上がりました。

カーゴ部分は大まか終了です。
ダッシュパネルから外したメーターです。
国内改善の為にスピードメーターにKm表示をします。
タコメーターの取り付けも依頼されていましたので、勝手にインダッシュにて取り付けました。怒られるか不安でしたが・・・
そんなに違和感はないでしょ?
エンジンルーム内の配線は傷んでいる事が多いですね。今回もご多分に漏れず引き直しです・・・。 バッテリーはオプティマを使用しています!

さぁ〜エンジン編に入りますよ! 使用するクランクシャフトとコンロッドはCB78mmクランクとCBスーパーロッドです。

ダイナミックバランスを取ったクランクシャフトです。 カウンターの部分を削ってバランスを取っているので、形が違うのがお分かりいただけると思います。

フライホイールももちろんバランスを取ります。 こちらはドリルホールでウェイトを合わせます。左側の新しいドリルホールが今回開けた部分です。

コンロッドのウェイトチェックです。このコンロッドは出来が良く、ウェイトのバラツキはほとんどありません。

ケースもセンターの合わせ面からシリンダーの座面までの寸法を確認します。 加工して使うことになりました・・・。

 
クランクシャフトにコンロッド、メインベアリング、タイミングギアを組み付けます。
ピストンのウェイトチェックです。若干バラツキがありましたので、内側を削りバランス取りします。
クランクケースを合わせる一歩手前です。 今回カムシャフトはW−110をチョイスしました。

クランクシャフトの軸方向の規制は、0.2〜0.3mmぐらいまでのシムを組み合わせて行います。

チョイスしたシムを入れて、フライホイールを取り付けてエンドプレイ(軸方向の動き)を確認します。 規定値は0.07mmと、新聞紙1枚程度のクリアランスなんですよ。
シリンダー上面からピストンTOPまでの距離(デッキハイト)を測定します。この寸法の取り方はチューナーの好みが別れところでしょう!
ロッカーシャフト廻りも強化します。 バルブのアジャスターボルトもスィブルヘッドに交換してあります。
ポーティングが終了したヘッドです。メーカーはこれまたCBパフォーマンスで、IN40mm、EX35.5が最初から入っています。
1−2番側を組み上げてから、3−4番側の作業にはいります。
3.5qtのオイルサンプが迫力ですね! 
ロングブロックまで組み上がりました。 ここまで来るのに、どれだけの下ごしらえが有ったことか・・・。 
コンプリートになったエンジンです。コンプレッサーのステー加工、ブリーザーキャッチタンクの取り付け、キャブリンケージの加工など細かな作業が山ほどありました。
さてお次はミッション編です。 今回初のこころみで、ファイナルギアを4.57に変更します。 もちろんこれはビッグモーターに合わせてのギア比変更ですから、オリジナルのエンジンには使えないと思って下さい。
左側がオリジナルの5.375ピニオン、そして右側が4.57ピニオンです。ギアの大きさの違いがお分かりいただけると思います。
ミッションの中身は細かい部品がたくさんあります。その一つ一つをチェックして組み上げる前の準備をします。

ピニオンシャフトにWテーパーベアリングとベアリングカラーだけを取り付けて何をするかと言うと・・・

デフの歯当たりの確認とシムの調整を行います。 マンドレルが有ると楽なんですが・・・

各ギアを組み付けて、ギアキャリアに固定してからシフトフォークの調整を行います。この状態がミッションケースに入っているときと同じなのです。

フォーク調整が終わるといよいよギアキャリアをミッションケースに組み込みます。

そして最後にバックラッシュの調整を行います。 バックラッシュとは、ギアどうしかみ合う部分の遊びですね!

コンプリーーーーーート!
ボディー廻りの組みつけが終わり、足回りの整備に入る前にスチームで洗浄です。
下回りの洗浄の後は、先ず防錆塗料を塗る事から始まります。 日本ではとっても重要な作業になります!!
クーラーのコンデンサーの取り付けです。もともとビートル用のクーラーKITですから、取り付けにはあれやこれやと加工が必要なんですよ。

取り外したフロントアクスルビームASSY! さて、何をやるのでしょう・・・??

その正体はナロービームです! もちろんキャスター角も増やしてありますから、抜群の直進安定性がでるはずです!
ナロード加工は横浜の「Bus Stop」さんにお願いしました。
アーム類を取り付けてみると…。
マスターバックの取り付け位置が問題で、ステーの位置を変更しました。現物あわせで少しずつ作業を進めていきます。
コンプリートになったエンジンを車載中です。Weber40IDF,クーラーのコンプレッサーが付いているために、広いはずのBUSのエンジンルームもぎゅうぎゅうです!(笑)
エンジンルームの配線の末端処理です。 これで安心!!

リアバンパーの取り付けです。オーバーライダーを組みつけてからボディーに取り付けます。

どうです! すべての組み付けが完了したエンジンルーム!! もっと大きな写真でお見せしたいのですが・・・。
右横顔!
左横顔!(笑) 美人でしょ?
長い長い作業も終わり、無事ナンバーが付きました! サイドステップを取り付けて、納車の準備です。
ホイールはポルシェのフックス6Jです。オーナーのガチャピンさん自らハンドポリッシュした一品です!!
右のヒップ!
左のヒップ!・・・恥ずかしい・・・(爆)

運転席もご覧のとおり綺麗にまとまりました!

リアカーゴスペースもGooooood!!
ステアリングは交換予定とか・・・どんな風になるんだろう・・・(楽しみ!)

ここはチビちゃん達のスペースですね!

クーラーも無事に取り付けできました。

お子様がいらっしゃると、このウォークスルーが便利だと思います。車から降りることなく車内を移動できますからね!

充分すぎるラゲージスペースです。

スペアータイヤのカバーにもVWマークが! ニクイ演出ですね・・・。

アクセサリーというより、実用性で取り付けたサイドステップ! このステップを踏みながら大きくなっていくのでしょうね! 素晴らしいです!!
ガチャピンさんファミリーです! おチビちゃん達もとっても喜んでくれました!! 末永く可愛がってあげて下さいね。